2025年度スローガン
挑戦

理事長所信
公益社団法人松阪青年会議所
第71代 理事長
川口 達也
はじめに
1954年私たちの住まう地において青年たちが立ち上がり、自分たちにできることは何なのか、社会がどのようなことを求め、その課題を解決し、より良く変革できることは何なのかと考え行動を起こした先輩諸氏により青年会議所運動が始まりました。その運動は多くの人々や地域のつながりと共に歩んできました。どの時代においても、大志を抱く先導者として仲間と共に行動を起こし経験と成長を積み重ねてこられた結果、70年に渡り社会に必要とされている組織で在り続けています。私たちの目の前に課題がある以上、大きな志と情熱をもって行動を起こし社会をリードしていく組織で在り続ける必要があります。青年会議所は明るい豊かな社会の創造という理念のもと、社会課題解決に向け行動しますが、根本にあるのは社会をリードする指導者を育成する組織であります。昨今は変化が激しく、日々、様々なことが変わっていき、指導者に求められることは変わっていきますが、このような変わりゆく時代であっても、変わらず指導者に必要な本質は人とのつながりであります。その本質とは、人と人とのつながりを通じて成長させる修練、切磋琢磨し高め合いながら培われた力で行う地域社会への奉仕、そして、同じ志を持つ仲間との友情の三信条を体現し高め合うことです。また、三信条は青年会議所運動のみだけではなく、一市民の一員としての活動においても重要な要素であります。青年会議所運動のみで考えず、日常生活においても同じように実践していくことは、豊かなつながりをより強くし、豊かなこころが溢れる私たちの理想とする幸せな社会へとつながっていくのです。
豊かなつながりを築く人材開発
青年会議所は指導者を育成する組織であり、指導者としての資質を高める為に様々な事業を行い、社会課題を解決する運動を展開しています。活動を行う中で様々なつながりが必要であり、そのつながりは青年会議所運動だけでなく、すべてのことにおいても大事なことです。私たちは青年会議所会員であり、一市民として企業に所属しております。私たちの目指す社会開発とは青年会議所運動による社会をより良く変える行動と、青年会議所での学びやつながりを自身の企業で実践し、企業をさらに発展させる行動です。また、現在の成長している企業に共通していることは、豊かなつながりをもった人材が多数存在していることであり、豊かなつながりをもった人材開発に力を入れる企業が増えています。仲間同士のつながり、所属する組織とのつながり、自身が携わる商品やサービスとのつながりなど、いかに多くのつながりを生み出すかという視点が、人材開発においても組織の成長においても重要です。まずは、仲間の為に自らが行動を起こし、感情を理解して良好な関係を築くことと、相手の言動からその人の感情や意図、思考を汲み取ることで良好な人間関係が構築されつながる力が高くなります。その結果、多くのつながりにより、関わりある人たちから、たくさんの共感を得る接点を持つことで、人、もの、お金といった三大資本に加え、第四資本として共感資本を得ることができます。組織のつながりの大きさは組織に所属する一人ひとりが持つつながりの総量でもあり、つながりが多ければ多いほど、組織のつながりも大きくなり、共感資本を高めやすくなります。さらに、社会においての企業の立ち位置やつながりが豊かになることで、価値が高まり、社会全体が活性化する好循環の基点となります。だからこそ、豊かなつながりを築く人材を育てていく必要性があるのです。
豊かなこころが溢れる社会開発
豊かさには物質的な豊かさ、社会的な豊かさ、文化的な豊かさなど様々なものがありますが、すべての豊かさの中で大事なものは精神的な豊かさ、すなわちこころの豊かさであります。こころが豊かでないと物質的な豊かさも文化的な豊かさも価値を感じることができませんし、価値あるものにもなりません。それらのものを価値あるものにする為にはその地域に住まう人のこころの豊かさが必要であり、そのこころの豊かさの一つには小さな頃から大事にされてきた相手の立場や気持ちを大事にするおもいやりのこころも含まれます。おもいやりのこころはまわりの人と支え合う私たちの生活に必要な価値観であり、おもいやりのこころを育むことは人間性と社会性を育み主体的な行動を起こす原動力となります。青少年の頃から育まれる豊かなこころは、物質的、社会的、文化的な豊かさをより価値のあるものとし、真に豊かである幸せな社会へとつながります。また、私たちの住まう地域には様々な地域資源がありますが、昨今では後継者不足や人気の低迷など伝統文化が薄れつつあります。時代の変化により必要が無くなったものもあれば、時代の変化に対応できずに無くなってしまったものもあります。地域の宝である伝統文化が無くなることは、私たちの愛する地域の魅力が減少し、人が離れてしまうなど人口減少の問題にも直結します。今一度、伝統文化の起点や創始のおもいについて考えることが必要です。伝統文化には、先人達の、知恵、技術、構造など、そのものの本質的な形が残されていることがあり、それが伝統文化の大きな価値です。最近ではあらゆる現代コンテンツの根底に伝統文化が基本になっているものもあります。その価値を認識し直し、その上で現代的なものや、オリジナルなものを融合させることで、新たな価値を生み出すきっかけになります。地域資源を昇華させ、私たちの住まう地域の大きな宝へと変えていきましょう。人や地域へのおもいは豊かなこころと新たな価値を生み出し、豊かな社会へとつながっていきます。
強固なつながりにより大きな力を生み出す組織開発
私たちの組織は指導者を育成し、その活動の中で人格を形成していく場所であり、人格を形成する上で大事なことは、組織の体制であります。所属する会員にとって居心地のいい場所だけではなく、組織全体が前向きであり、会員が成長できる環境を常に作っていくことが大事です。常に前向きで、会員同士のつながりが強く高め合える組織は、所属する会員の意識と行動を変え、社会を変える大きな力を生み出すきっかけとなり、魅力ある組織へと変わります。魅力ある組織には賛同者が自然と集まり、私たちの運動に共感してくれる同志が必然と集まります。それが新たな推進力となり、その循環を起こしていくことで組織は成長し続けます。また、青年会議所には異なる地域で運動を行う仲間と出会う出向の制度や日本青年会議所運動の活用により様々な学びを得る機会があります。日本青年会議所には多くの情報や視点を変えるきっかけがあります。このつながりを最大限に生かし、会員の成長、そして組織の成長へとつなげていきましょう。効率的な運動力の最大化は単年度制の私たちにとって大きな力を生み出す近道になります。環境が変わればこころが変わる。 こころが変われば行動が変わる。 行動が変われば習慣が変わる。 習慣が変われば人格が変わる。という言葉があるように会員の力を最大限に伸ばせるよう、組織環境は常により良く変えていき、社会に必要とされる組織であり続ける必要があります。
果敢に挑戦し資質を高め合う会員開発
青年会議所は20歳から40歳までの限られた年齢の間で活動できる組織であり、各時代においても積極的な学びや若き情熱、希望のこころを常に持ち続けることで時代の流れに柔軟に対応できる組織であり続けるということが大きな特質であります。また、私たちの使命は青年に様々な発展と成長の機会を与えることであり、その機会は4つあります。様々な研修プログラムや活動の中での自己啓発の個人の機会。地域社会との関わりを作る社会奉仕活動による地域の機会。国際交流や国際貢献など世界と関わる国際の機会。経済活動や経営開発など新しいビジネスの機会が与えられるビジネスの機会であり、私たちが青年会議所運動を行う大きな理由の一つがこの4つの機会であると考えます。この機会は私たちが成長する為にあるものであり、私たちに必要なことは、限られた時間の中で果敢に挑戦し、様々な経験を積み重ね、向上し続けることです。また、活動における仲間との出会いや修練の場は、自身の可能性をさらに拡げることになり青年会議所に所属する大きな機会の一つでもあります。自身を奮い立たせ、考動を起こしましょう。自身の殻を破り、挑戦と経験を積み重ね、仲間と共に高め合いましょう。その先にある大きな成長は今後の人生においても大きな価値であり行動を起こす原動力となります。
むすびに
皆様は何の為に、そして誰の為に青年会議所運動をしていますか。愛する家族や友人の為、企業の発展の為など様々な理由があるかと思います。しかし、時には家族や友人との時間を犠牲にしてしまうことや、会社に負担をかけてしまうことがあり、心もとない気持ちになるかもしれません。しかしながら、それでも私たちは挑戦する必要があります。私たちの運動は、社会をより良く変える行動であり、豊かな社会にしていく為に必要な行動であるからです。豊かな社会になることは、家族の豊かさや幸せ、企業の更なる発展も必然的に含まれるのです。そのことを常に考え歩み続けましょう。また、私たちには支えてくれる家族や友人、会社の仲間がいるからこそ、全力で運動を行えることができるのです。感謝のこころを忘れず感謝の気持ちを伝えましょう。感謝のこころは豊かなこころを生み出す原動力になります。
私たちの運動はすぐに効果の出ることばかりではなく、すべてが報われることでもありません。しかし、何年か先に私たちの行ってきたことが社会に必要とされます。決してあきらめることなく、今私たちにできることを考え全力で行動を起こしましょう。幸せの種を蒔き続けましょう。その行動が未来に咲く大きな花となり私たちに豊かさを与えてくれます。すべては幸せな社会の為に。
基本理念
ロゴマーク
大志を抱き、仲間と共に更なる高みを目指し、幸せな社会を創造する

基本方針
重点事業
1 豊かなつながりを築く人材開発
2 豊かなこころが溢れる社会開発
3 強固なつながりにより大きな力を生み出す組織開発
4 果敢に挑戦し資質を高め合う会員開発
1 仲間の為に行動し能力を引き出す指導力開発事業
2 企業への共感を高め企業価値を高める経営力開発事業
3 おもいやりのこころを育み主体的に行動できる青少年の育成
4 地域に豊かな循環を生み出す社会開発事業
5 組織の魅力を高め賛同者が集まる組織開発
6 自身を奮い立たせ考動する意識を育む会員開発
7 個々の力を最大限に伸ばす事務局運営
8 全員で取組み運動への共感を生み出す同志の拡大
9 組織の原動力を創る出向者の支援
10 日本青年会議所の活用による運動の最大化